恋じゃないと願うだけ
駅前に着き、志穂と勇樹君にお礼を言って二人と別れた。
一人で大通りを歩く。
念のため風邪薬を買って帰る事にした。
そして、薬局で色々と買い揃え駅へ向かった。
沢山の学生で賑わういつもの大通り。
友達同士で仲良く会話する人達や
仲良く手を繋いで歩くカップル。
いつもの道なのに一人で歩くとなんだか新鮮な気分だった。
「結香…ちゃん?」
後ろから声をかけられた。
この声…
大好きだったこの優しい呼び方。
振り向くと、その視線の先には
「旬…君」