恋じゃないと願うだけ
そんなあたしの様子を気遣ってか、三浦君はゆっくりと色々話してくれた。
「いきなりごめん。
でも、俺あいつが許せなくて」
「…」
「俺が結香ちゃんの事ずっと好きだったのは知ってる…
よね?」
黙ってうなずいた。
「でも、気付いたんだ。
あいつがだんだん結香ちゃんを好きになってる事。
それで言ったんだ。俺に遠慮しないでくれって」
涙が溢れそうになるのを必死でこらえた。
「あいつと約束したんだ。
俺が諦めるかわりに結香ちゃんを泣かせない。幸せにしてあげることって…
あいつさ、泣きながらごめん。ありがとうって…」
顔を上げると三浦君の目にも小さく光る物が見えた。