恋じゃないと願うだけ
横に並んで歩く。
前だったら当たり前だったはずの旬君のとなり。
なのに、今は分厚い壁がある。
そんな違和感に戸惑いながら、着いたのは公園だった。
あたし達が初めてキスをした場所。
ベンチに座り温かいココアを手渡される。
「元気だった?」
「うん…
旬君は?」
「俺も元気だったよ
って言いたいところだけど…
元気じゃなかった…かな」
あたしもだよ…
なんて心の中で思いながらココアを握りしめる。