恋じゃないと願うだけ
「ストール…
もうしてないんだね」
「あっ…
うん。暖かくなってきたから」
本当はそれだけじゃなかった。
旬君を忘れるために…
旬君への気持ちと決別するためだった。
「なんか俺…
いつまでも引きずって女々しいね。
…
ごめん」
「えっ…」
意外なセリフにビックリした。
だって…
旬君はあたしよりエリナを…
「そんなにビックリしないでよ」
あたしの反応に戸惑いながら笑う旬君。
だって
だってさ…
さっきから風と共に流れてくるこの香り。
エリナが買った香水と同じ香りがするんだよ…