恋じゃないと願うだけ
「そっか。
あたしはもう平気だよ
頑張ってね」
心からの気持ちと言えば嘘になる。
やっぱり気持ちが良いものではない。
でも…あたしにはもう関係がない事だ。
多少複雑な気持ちを抑え、エリナに笑顔を向けた。
「えっ…」
一瞬エリナの表情が曇ったように見えた。
気のせいかな…
「結香ー
ありがとう‼」
やっぱりいつものエリナだ。
「そういう事…か」
ボソッっと呟く勇樹君。
「えっ?」
うまく聞き取れなかったので聞き返す。
「えっ、俺なんか言った?」
なんて誤魔化す勇樹君。
チラッと拓君を見る。
拓君の視線はエリナを見ていた。