恋じゃないと願うだけ






「あの時、別れろって言ったんだけどさ…
あいつ、もう結香を傷つけないから黙っててくれって…
それで俺、もう一度あいつと約束して見守ってたんだ。
本当にごめん」



何度も謝る三浦君の姿がなんだか切なくて。

悪いのは武瑠なのに。


友達にも裏切られたあたしは心がからっぽだった。




「信君は悪くないよ。悪いのは全部武瑠だから」



初めて彼を下の名前で呼んだ。

武瑠に振り回された彼へのざんげの気持ちだった。





< 23 / 286 >

この作品をシェア

pagetop