恋じゃないと願うだけ
謎
ゆっくりと流れる時間。
このまま時が止まってしまえばいいのに…
そんな風に思いながら拓君の横顔を見上げる。
何も言わずに、
ただゆっくりとあたしの歩幅に合わせて隣を歩いてくれる。
久しぶりにこんなに近くでみたかも…
真っ直ぐと前だけを見て歩く拓君。
夕日に照らされて、時より吹く春の風にサラサラと動く綺麗な髪。
スッキリした輪郭に長いまつ毛。
やっぱりどこから見ても完璧で綺麗な顔。
「顔に穴あきそうなんだけど」
トクンっ
ふと向かれた視線に心臓が跳ねる。
「いや、あの…
ごめんなさい」