恋じゃないと願うだけ
「結香-!!
良かったぁ」
ホテルに戻ると、半泣き状態の志穂が飛び付いてきた。
「結香…
ごめんね。あたし迷子になっちゃって」
申し訳なさそうに近づくエリナ。
「うん。
もう平気だよ」
少し違和感を感じたが、拓君が見つけてくれたから…
エリナに追求する事は止めた。
「みんな、心配かけちゃってごめんね」
ホテルで待っていてくれた同じ班のみんなに頭を下げた。
それぞれの安心したような顔を見て事の重大さを改めて知った。
もし、拓君が見つけてくれなかったら…
そう思っただけで身震いしてしまう。
見つけてくれた拓君には本当に本当に感謝の気持ちでいっぱいだった。
あれ…?
そういえば勇樹君の姿が見当たらない。