恋じゃないと願うだけ
「結香…
好きだよ」
そう言って拓君の唇があたしの唇にそっと重なった。
ドキドキと張り裂けそうな胸。
これが夢なら
ずっとずっと覚めないでほしい。
止められない感情が素直に溢れだす。
「あたしも…
拓君が好き…」
溢れる涙。
それを優しく拭いてくれる拓君の指先がくすぐったい。
「知ってる」
イタズラに微笑む拓君から見える八重歯。
あたしはこの笑顔が大好きだ。
ずっと
ずっと
見ていたい。
大好きな笑顔。
そして
あたしだけの大切な恋。