恋じゃないと願うだけ
地元でも有名な大きな神社に着いた。
いくつもの屋台に沢山の人。
暗い中でひきたつ淡い明るさのちょうちん。
ヅキッ…
懐かしい光景に胸が痛む。
武瑠に振られた日もこんな感じだったな…
「結香ちゃん何食べたい?
俺買ってくるからさ」
そんなあたしに気付いてか、ポンポンと頭を撫でてくれる旬君。
そんな旬君の優しさに心の痛みがスーっと溶けていった。
「わたあめ…かな
あっ、あたしも行くよ」
「俺はジャガバター食べたい!」
ニコニコしながら屋台を見回すアキラ君。