恋じゃないと願うだけ
えっ?
今なんて言った?
やり直す…?
ダメだ…
思考がついていかない。
誰か助けて…
「武瑠じゃん。
俺の彼女ナンパしないでくれる?」
エリナと戻ってきた旬君は武瑠の背後から声をかけたかと思うと、
隣に座り、引き寄せるようにあたしの腰に手を回した。
「はっ?
結香が旬と!?
まじかよ…」
「マジだよ。
大切な彼女だから」
挙動不審な武瑠に凛とした表情で接する旬君。
よっぽどびっくりしたのか、目が泳いで落ち着きのない様子の武瑠。
そんな姿は初めてみた。
「あっ、武瑠居たー‼
どこ行ってたのもー」
と、息を切らしながら女の子が武瑠の元に駆け寄ってきた。
すぐさま武瑠の腕に手を回す。