恋じゃないと願うだけ
「止めろよ!」
武瑠は女の子の手を振りほどいた。
不思議そうに武瑠を見つめる女の子。
「もういいかな」
旬君が冷たくいい放つ。
「えっ、えっ、桜井旬君!?
ヤバイ超嬉しい!どうしよ」
旬君の存在に気付いた女の子がキャッキャとはしゃぎ出す。
武瑠には目もくれず旬君に興奮している。
「…じゃあ」
さっきのギラギラした武瑠の面影はなく、勝負に負けたような姿だった。
旬君に興奮する女の子の手を無理やり引く感じでその場を去った。