だて眼鏡の裏には
__私は夕食専用部屋?みたいなところの、自分の席に座る。

隣にはめぐりん、前にはお父様、お母様、小佐渡がいた。

「めぐりん、今日楽しかったね。」

と、小声でめぐりんに囁く。

「ん?美海、今日どこかに行ったのか?」

小声で言ったはずなのに、お父様の耳は私の言葉をきちんと拾っていた。

「ヴィライルに行ったの。」

怒られるのを覚悟して言ったのに、お父様は怒るどころか笑顔をみせて言った。

「あぁ、ヴィライルか。懐かしい。あそこの今の店長さんの父親、私の同級生であり親友だから。」

と、昔話を始めた。

でも、私はその間、ずっと誠のことを考えていた。
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