呪い歌
そんな時、

4人の横をチリンチリン、と
小さな男の子が乗った自転車が通過した。

「おい、ちょっとお前!」

蓮は自転車を止めるよう、声をかけた。

「なに…?」

キィーっと、自転車がとまり、
ヘルメットを被った男の子がこちらを振り返る。

自転車に乗っていたのは
この赤橋東小学校に通う5年生で、
篠田 咲 という小さな坊主頭の子だった。

「明日の放課後、4時をまわる前に
絶対6年4組にこい。来なかったどうなるかわかるよな?」

脅しをかけるように蓮は篠田の肩へ手をかけていった。

「え…でも明日は、友達と…」

友達と遊ぶんだ。

篠田はそう言いたいのであろうか。

もじもじとした様子で震えながら蓮へと言葉を返した。

「来なかったらぶっ殺す、わかったか」

それを最後に篠田ははい、と小さく答え、颯爽と自転車に乗り直し、去って行った。
< 10 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop