呪い歌
第二章
3時45分。

既に下校時間を予告するチャイムは鳴り終えていた。

もちろん、前回同様
クラスに残っているのは
佐々木毬菜、小坂日那、北条蓮、西光輝の4人だった。

「あの野郎まだ来ねぇのか」

苛立ちを露わにしつつ、蓮が呟いた。

「逃げられたんじゃないの〜?」

という日那の言葉に蓮の苛立ちは増した。

「ふざけんなよ、あいつのクラス行ってくっから」

ガラッと教室のドアを開けた時だった。

「ひっ…!」

蓮の目の前に立っていたのは
昨日一方的な約束を押し付けられた篠田だったのだ。

「お前!待ってたぞ!」

先程とは打って変わっての様子で
蓮が盛大に篠田をむかえ入れた。

「は、はぁ…」

蓮のものすごい変わりように
さすがの篠田も驚きを隠せない、と言ったようだった。
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