呪い歌
「…は?」

毬菜が遠くを見据える様にして歌い出したのだ。

不気味に。

「!」

そこで西があることに気付く。

「皆、毬菜の手を見ろ!頭部をもっている!つまりこれは…」

「呪い歌だ」

到底女子とは思えない、低く、闇をまとった声で。

その声は明らかに毬菜の声ではない声で。

毬菜はこちらを向き呟いたのだった。

「な、なんだ…?れ、霊が乗り移ったのか…?」

西はカタカタと足を震わせ、興奮気味に声を上げた。

「最初の贄は、右腕。1週間以内に探し出す事。」

再び毬菜は恐ろしい声で囁いた。
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