呪い歌
「そんなこといってないで、とりあえずやってみないか?」

と、西がごもった所で蓮がでてきた。

「そうだよ、説明はやりながらでもできるでしょ〜」

蓮に同調する様に日那もここで声を出す。

「はあ…じゃあやってみる?
実を言うとここから先のことは僕もわからないんだけど…」

と西がため息混じりに言った時だった。

「ポーン、ポーン」

5時のチャイムだ。

「最終チャイムじゃん!」

私達はこの5時ちょっきりになるチャイムを
いつしか『最終チャイム』とよんでいた。

その名の通り、最終チャイムが鳴り終えると、
用務員により、児童玄関に鍵がかけられてしまうのだ。
学校から出られる最後の時間、ということで
最終チャイム。

最終チャイムは赤橋東小学校特有のポーン、ポーンという他の学校では決して聞き慣れない
鈍く響いた変な音であった。
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