1ページ過去編
片方だけの手袋
手袋を、プレゼントした。
「開けてみて!」
紺色に白いノルディック柄の手袋。
「あれ?
片方しか入ってないよ?」
って、言われて。
にやりと笑った。
後ろに隠していた手を、じゃんっと前に出す。
「なんだ、持ってたの?
って…最初から両方入れとこうよー、どんなドッキリ?」
なんて呆れたように笑いながら言われて、唇をとがらせた。
「だってさ、一組をふたりで、って最強のペアルックじゃん。
もう片方はさ、こうやって…」
腹がたったから、乱暴に手を繋いでポケットに突っ込んだ。
「あ…ああ、なるほどっ」
照れで顔を真っ赤にして俯くから、怒ってたのなんてどっか行っちゃって。
可愛すぎて、ぎゅっと抱きついた。