1ページ過去編
白い日
目を醒ませば窓の外
白く凝った霧は濃く
馴染んだこの土地が
知らぬ町のように見えて
誘われるようにして外に出た
私の着ていた黒い服
歩くたびきらきらと
水滴が絡まり
ビーズを散りばめたように光を弾く
お姫様にでもなった気分
ふわりとまわれば
白い静寂を鋭く裂く音
黒と白の間に赤が散る
そうか
今日は あの日だったのか
私の消えた日
それは白い日