1ページ過去編

恒例行事

空腹はたまりかねるととんでもなく大きな反動がつきます。

「おいしいね」

「そういう季節だしね」

「仕方ないよね?」

「うん…でもさぁ…」
そろそろヤバくない?

そう言う姉は渋い顔で、でもごはんを口に運び続けている。

体重?
そんなもの…気にしてみれば…恐怖だけど!

「でもだってしかし止まらないしっ」

「落ち着け!」

うう…太りたくはないんです……。
でも食べちゃうんです……。

しかも太りやすい体質なんです!

「彼氏にふられたらどうしよう…」

「えっ、おねぇちゃん彼氏いたの!?」

「えっ、知らなかったの!?」

「知らなかったよ!
彼氏つくるためにさっきまでダイエットしてたんじゃなかったの?」

「ふふふ…そんな生っちょろい段階はとっくに飛び越えたわよ!
私は今の幸せを持続させるためのダイエットをしていたの!」

言い切ったな。

「さあその努力は今、ムダになった!
さようならおねぇちゃんの幸せ!」

ちゃちゃいれてやる。

「何よー、応援しなさいよね、妹なんだから」

「太ったくらいで嫌わない彼氏見つければー?」

ぶーぶー言ってる姉に、適当な返事を返す。
しばらく応酬が続いた後。

「…なんかさぁ」

姉は突然トーンダウンしてしみじみ。

「何?」

「毎年似たようなことやってるね」

「……うん」
< 8 / 23 >

この作品をシェア

pagetop