佐伯くんを好きになった場合。



「放課後、図書館」



俺はボソッと呟いて、再びツカツカと歩き出した。



「……え?」



「聞こえなかった?」



「う、そ……楽しみにしてるね!」



後ろを振り返ったそう聞けば、めちゃくちゃ笑顔でそう言う椎名。



「聞こえてんじゃん」



なんなの、椎名は。



ただ、あのままズルズル俺に付きっきりだと面倒臭いから、了承しただけ。


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