佐伯くんを好きになった場合。
悲しい……うん、とても悲しいんだけど、考えても考えても、たどり着くのは、結局は……。
何もかもが、振られる前提で。
「さ、佐伯くんに告白した場合……」
「俺に、告白した場合?」
後ろから、聞き覚えのある綺麗な声が聞こえて、反射的に咄嗟に後ろを振り向いた。
「ささささ佐伯くんっ!」
「近づかなくていいから」
昨日の今日で、こんなにも近くで佐伯くんを拝めるなんて……!
すぐさま、佐伯くんの元へダイビングしようとしたけれど、普通に。うん、ふっつーに止められた。