佐伯くんを好きになった場合。
「あー、でも。あの調子ならしばらく帰らないよ、聖那は。あ、佐伯の聖那ね」
「そっかー、なんか深刻そうだもんね」
「ふは、まあね」
悠哉くんは、あの二人が何の話をしているのかしっているのかな?
「じゃあ、俺も、あの中に混ざってくるとするかー。湖々ちゃん、またね」
そういう悠哉くんに、私は手を振って「ばいばい」と言う。
そっかー……今日はもう佐伯くんと話せないのか。
まぁ、それは約束してたことでもないからしょうがないことなんだけど。
じゃあ、今日のところはこれでおさらばしようか。
チラッと佐伯くんの方を見ると、悠哉くんと南くんと楽しそうに笑ってて。
少しだけ、ホッとした。
辛そうな顔じゃなくて、笑顔で良かった。
私は、スクバを肩に掛け直して、歩き出した。