佐伯くんを好きになった場合。



何度も椎名のいるはずのクラスに顔を出しても椎名はいないし、時間がただただ過ぎていくだけ。



気付けば、もう放課後で。



俺は、教室のごみ箱を持って廊下を歩いていると、前の方から椎名が歩いてくるのが見えた。



「椎名」



「…っ、佐伯くん」



絶対に、また逃げられる。



瞬時にそう思った俺は、ごみ箱を置いて空き教室に椎名を連れ込んだ。


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