佐伯くんを好きになった場合。



「もうちょっと、一緒にいたかった……」



「もうちょっとも何も、最初から一緒じゃないよ?いたかったじゃなくて、いればいいじゃん」



舞那の言った言葉が、ズシンと私に重くのしかかった。



最初から、一緒じゃないのは……そりゃそうか。


私は、元から佐伯くんと一緒にいるわけじゃないし。


いたかったって、後悔するんじゃなくて、これからもいればいいんだ。



「だって、湖々、ずっとそうしてたじゃない。佐伯くんに何度拒まれようが、めげずに話しかけてたじゃない」



……舞那の言う通りだ。


< 266 / 320 >

この作品をシェア

pagetop