佐伯くんを好きになった場合。
ええい!こんなところでもたもたしている場合ではない!!
私は、舞那の指さした方へ走り出した。
勢いよく、廊下を出ると、舞那の言ったとおり、佐伯くんと悠哉くんの後ろ姿がバッチリ見えてしまった。
「さ、佐伯くん!」
私は、その大好きな背中に向かって大声で叫ぶ。
無視されてもいい。
振り向かなくてもいい。
でも、
「私の話を聞いて!」
私がしなかったことを、佐伯くんもしてくれると思ってないよ。
それでも、聞いてほしいから。
じゃなきゃ、何も始まらないから。