佐伯くんを好きになった場合。



「椎名、ほら」



佐伯くんは、傘を私に差し出した。



そんなことしたら、佐伯くんが濡れちゃう。



「俺、本当に家近いから」



なんで、こんなに優しくするんだろう。



「ほら、椎名」



────じゃあ、なんで私は、避けられなきゃいけなかったんだろう。


< 285 / 320 >

この作品をシェア

pagetop