佐伯くんを好きになった場合。
佐伯くんを好きになった場合。
「あのね、佐伯くん聞いてよ!」
「あのさぁ、さっきから本当なんなの?ちゃんと聞いてんじゃん」
ガヤガヤとうるさい周りにさっきからかき消されてる私の声。
え、なに?本当に聞こえてるの、佐伯くん?
「相思相愛だね!」
「はぁ?意味わかんないし。人多いし、気持ち悪い」
佐伯くんは、そう言って私の手を取り、歩きだした。
もちろん、手はきつく握り締められた、恋人つなぎで。
「あぁー、人多い」
「そりゃあ、祭りだもん」
補習が終わり、本当の夏休みの初日。
そう、今日は、待ちに待った祭り。