佐伯くんを好きになった場合。
「あのさ」
佐伯くんは、スタスタ廊下を歩いていると、いきなり後ろを振り向いて私を見た。
「今日はもう帰って、本当。迷惑」
「なっ……!」
佐伯くんはそれだけ言うと軽く私を睨み、歩いていった。
そんな佐伯くんの言葉が頭の中でリピートされる私は当然廊下のど真ん中で立ち尽くしたまま。
帰って……迷惑……。
佐伯くんを追いかけようも、目の前は曲がり角だしどこに行ったのかもわからない。