佐伯くんを好きになった場合。



全く、人の名前を間違えるなんて失礼な奴だと思うけれど、佐伯くんだから特別に許してあげる。



「佐伯くんは、やっぱりモテるんだね」



「ふーん」



自分のことなのに、どうも無関心な佐伯くんは、その場でしゃがんで壁に背中を預けている。



私も、そんな佐伯くんに合わせて、佐伯くんの横にしゃがんだ。



その距離、約30センチ。


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