佐伯くんを好きになった場合。



「恋なんて、したことない。告白されて、どうもしつこいから付き合ってあげたら、勝手に暴言吐かれて振られるっていう繰り返し」



佐伯くんは、篠くんと同じことを言った。



でも、篠くんのように強がって言っているわけでもなく、いつもの通り無表情で冷めた目をしている。



「佐伯くんは、悲しくないの?」



「なんで俺が、悲しまなくちゃなんないの?勝手に告って振って、忙しくて可哀想」



佐伯くんは、当然のようにそう言ってため息をついた。


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