佐伯くんを好きになった場合。



「でも、今の私にとっては……勉強よりも、佐伯くんなんだよね」



椎名は、そう言って俺の机の前にしゃがんで微笑んだ。



呆れた。どんだけ、俺のことを好きなんだとかは、思わないけど、とりあえず呆れた。



俺が、椎名のことを好きになるわけないから、諦めた方が自分のためなのに。


< 99 / 320 >

この作品をシェア

pagetop