ハメごろし
キー……キー……と軋む音が家の中から聞こえてきて、ドアノブに伸ばした腕にポツポツと鳥肌が立つ。
肺を鷲掴みにされたように呼吸が冷たくなった。
胸が上下した。
キー……キー……と軋む音は悲しげに泣いている声にも聞こえる。
『私じゃない。やめてって言ったのにぜんぜん聞かなかったこの人たちが悪いんだ』
私の頭の中に入り込んでくる声を吹き飛ばすように激しく頭を左右に振った。
「……やめてよ」
『やめるのはあなただよ。ここへ入っちゃダメ。少なくとも今はね』
「……いつならいいの」
『……さあ』クスクスと嘲笑う声に胸の真ん中がムカついた。