ハメごろし

 私の上に乗って、激しく腰を打ち付けている。まるで獣だ。この男は私の表情を見て攻めかたを変えてくる。

 よがれば更に強め、無表情でじっと目を見続ければ、また逆の意味で燃えると言った。

 背中にツ……と爪をそわせれば、粟立ち震え、抱き抱えられる。

 息ができないくらいに抱き締められて、苦しくなる。

 私はただ脱力して、人形のようにされるがままになっている。目を閉じれば真っ暗な闇の中にいて、私の体はその闇に犯されている錯覚に陥る。

 やがて打ち付けるスピードが早くなってくる。

 イク前に意識を朦朧とさせ、体中の力を全て抜いた。




「死体とヤってるみたいで、すげえいい」



 男の言葉を聞いて鼻で笑った。頭の中で。





 よし、次はこいつで決まりだ。生唾をひとつ飲み込み、舌で口の中を舐め回した。



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