めぐり逢えたのに
私たちはかなり酔っぱらった。

結婚式やら引っ越しやら、連日気の張るイベントが続いた上に、ワインのがぶ飲みだから無理もない。

気がつけば、私は彼のことをあれこれ話していた。
いつも二人でどんなことをしてたのか、とか、私たちは何でもない事でいつも笑ってたとか、お金がなくて遠くには出かけられなかったから、私はすっかり横浜や川崎に詳しくなったこととか、だから、佐々倉が彼女とハワイに行った写真をみて、すごく羨ましくなったこととか、突然目の前から消えちゃって、本当に悲しかったこととか、いろんなことを話した。

さすがにあの夜のことだけは話せなかったけど……。すごく素敵で、幸せだったことは絶対に誰にも言わない私だけの秘密にしておきたかった。

私も、佐々倉にしおりさんのことを根掘り葉掘り聞いた。
佐々倉もかなりお酒が回っていたのか、私の惚気話（？）に当てられたのか、私が訊ねるがままに、何でもしゃべってくれた。

かなり衝撃的（私には）な話だった。



< 121 / 270 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop