めぐり逢えたのに
寝室に入ると、彼はどさっと荷物のように私をベッドの上に置いた。

「ふー、疲れた」

って、言うから、私がちょっと怒ったら、彼は慌てて弁明をした。

「違う、違う。君が重たいってことじゃなくて、玄関からここの部屋まですごく遠かったってこと。でも、最後に見たときより、顔がちょっとふっくら女らしくなったね。」

ああ、私は本当にウキウキしていた。

彼がベッドに腰を下ろしたら、後ろから抱きついて洋服を脱がせたり、膝枕させたり、抱き合ってごろごろ床の上をころがったり、取っ組みあったり、何かいろんなことをして遊んだ。

逆立ちをさせたり、もう、小学生の子どもみたいなことをして、二人で嬌声を挙げながら、鬼ごっこをしてまくらなげをした。

とにかく思い切りはしゃいでじゃれたかった。



< 155 / 270 >

この作品をシェア

pagetop