めぐり逢えたのに
こんな風にベッドのなかでぐでぐでしながら楽しい時を過ごしていた私たちだったが、彼が時間のことを気にし始めた。
「もう少ししたら行かないと。仕事があるんだよね。」
「仕事……」
それこそ、最後の日のことが思い出されて、私は不安になる。
もう会えないのだろうか。私の怯えた顔を見て彼は聞いた。
「また遊びに来てもいい?」
「うん、連絡先教えて。」
彼がポケットにあるケータイを取り出すときに、パラリと何か紙切れが落ちた。彼はケータイを弄っていて気付かなかったようだ。
あら、と私は何気なく拾った。
何の変哲もない紙切れだったけれど、何となく見覚えがあるような気がして、広げてみたら……、それは「愛してる」と書かれたメモだった。
最後に彼の家を出る時に、いつものように私が残したメモだ。間違いなく私の筆跡だった。
「ね、これ、私の書いたメモ……?とっといたの?」
私は思わず彼に聞いた。
「あ………」
返し上手な彼が、めずらしく本気でうろたえて言葉を失っている。
無言で彼の返事を求めていると、ようやく決心がついたようなキッとした顔を私に向けた。
「もう少ししたら行かないと。仕事があるんだよね。」
「仕事……」
それこそ、最後の日のことが思い出されて、私は不安になる。
もう会えないのだろうか。私の怯えた顔を見て彼は聞いた。
「また遊びに来てもいい?」
「うん、連絡先教えて。」
彼がポケットにあるケータイを取り出すときに、パラリと何か紙切れが落ちた。彼はケータイを弄っていて気付かなかったようだ。
あら、と私は何気なく拾った。
何の変哲もない紙切れだったけれど、何となく見覚えがあるような気がして、広げてみたら……、それは「愛してる」と書かれたメモだった。
最後に彼の家を出る時に、いつものように私が残したメモだ。間違いなく私の筆跡だった。
「ね、これ、私の書いたメモ……?とっといたの?」
私は思わず彼に聞いた。
「あ………」
返し上手な彼が、めずらしく本気でうろたえて言葉を失っている。
無言で彼の返事を求めていると、ようやく決心がついたようなキッとした顔を私に向けた。