めぐり逢えたのに
池がわのコテージには、その周りで沢山の珍しい鳥が放し飼いされていて、鳥を見ながらその中を散歩するのも楽しかった。
でも、いくら飼われている鳥とはいっても、クジャクぐらいの大きさの鳥が、鋭いくちばしをこちらに向けて、行く先をふさいでいるのはやっぱりえも言われぬ威圧感がある。
彼は、結構本気で怯えており、私の袖口を引っ張って、遠回りしよう、というから、なんかおかしかった。
彼は、いつも余裕があるし、ひょうひょうとしてつかみどころがないので、こんな風に隙のある姿を見るともっと好きになってしまう。
「意外に臆病だよねー」
私がからかうと、
「君子危うきに近寄らず。念のため、遠回りしよう。」
偉そうに虚勢を張るところが可愛かった。
私よりうんと大人なのに。
「怖いだけでしょ。震えてるよ。」
私が指摘すると、
「万里花さんは怖くないの?あれ、つつかれたら、結構痛いと思うよ。」
と怯えている。
その時、その鳥が、グエェという浪人が刺されて血しぶきをあげながら死んで行くかのようなすごい声で鳴いてこっちに向かって来たので、彼はとっさに私を抱き込んでその場にうっつぶした。
でも、いくら飼われている鳥とはいっても、クジャクぐらいの大きさの鳥が、鋭いくちばしをこちらに向けて、行く先をふさいでいるのはやっぱりえも言われぬ威圧感がある。
彼は、結構本気で怯えており、私の袖口を引っ張って、遠回りしよう、というから、なんかおかしかった。
彼は、いつも余裕があるし、ひょうひょうとしてつかみどころがないので、こんな風に隙のある姿を見るともっと好きになってしまう。
「意外に臆病だよねー」
私がからかうと、
「君子危うきに近寄らず。念のため、遠回りしよう。」
偉そうに虚勢を張るところが可愛かった。
私よりうんと大人なのに。
「怖いだけでしょ。震えてるよ。」
私が指摘すると、
「万里花さんは怖くないの?あれ、つつかれたら、結構痛いと思うよ。」
と怯えている。
その時、その鳥が、グエェという浪人が刺されて血しぶきをあげながら死んで行くかのようなすごい声で鳴いてこっちに向かって来たので、彼はとっさに私を抱き込んでその場にうっつぶした。