めぐり逢えたのに
「リコール隠し?」
「そうだ。」

急に佐々倉の父に呼び出されたかと思ったら、いきなり思いもかけない情報がもたらされた。

「確かなんですか?その情報。」
「ああ。」
「それが国交省に漏れてる?」
「恐らく。」

組織ぐるみでのリコール隠しか?だとしたら、誰の指示だろう……?
佐々倉は、急に田中の顔が思い浮かんだ。雨宮議員に接触したがってたよな……。

「何で知ったんです?」
「例の雨宮と会うって話だよ。雨宮に打診したらニンマリしたから何かあると思ってちょっと探った。」

……やっぱり。雨宮議員に便宜を計らってもらうことを頼みたかったのか、あるいは、国交省がどこまで掴んでるか探りをいれたかったのかもしれない。

「じゃ、急いだ方がいい。早急に雨宮議員と会う段取りをつけてもらえますか。」
「これは大きな貸しだぞ。」
「わかってます。次の選挙は安心していて下さい。」



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