めぐり逢えたのに
「……私と結婚するのが、そんなにいやなの?」
「そんなことないよ。」
「じゃあ、今結婚したって、あとからしたって同じじゃない。私は、小野寺さん以外考えられないもん。」
「あー、お子ちゃまはすぐ、そういうこと言うんだよな〜。」

と、また、「子ども」を盾に取るから、話は堂々巡りで、その日、初めて私たちは本格的な喧嘩をした。

タイミングの悪い事に、その頃から、彼のお稽古が入ってしまい、クリスマスまでに仲直りすることもできず、私は、イブの日は、自分の部屋で、友美が送って来た、松坂くんと友美が仲良くホテルにいる写真を眺める、という悲しい事態に陥っていた。

こんなことなら、パパとママと一緒に食事に行けば良かった、と思った。パパたちに一緒に来るか、って誘われたんだけど、イブの日に、両親としか一緒に過ごせないなんて、イケてないし、と思って、私は断ってうちにいることにした。(トシさんがお目付役として呼ばれた)
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