めぐり逢えたのに

私は、彼が、何かというと私のことを子ども扱いして、門限とかも絶対守らせるのに腹を立てていた。もちろん、彼のことは大好きだったんだけど、どうして一緒にいたい私の気持ちを分かってくれないんだろう、って思ってた。

だから、私は、パパに彼の事を勝手に話した。

「パパ、会って欲しい人がいるの。」

パパは新聞から目を離さずに応えた。

「ほほう、万里花もついに彼氏でもできたのか？」
「違うの、婚約者なの。私、結婚したいの。」

私は、恐る恐るパパの反応を伺った。パパは、相変わらず新聞を読んでいて、私の話を聞いていないように見えた。

「結婚？　まだちょっと早いんじゃないか？」

パパがようやく返事をした。

何で、彼と同じようなことを言うんだろう。