めぐり逢えたのに
彼は慣れた様子で、私の服をどんどん脱がせていった。時々首筋や鎖骨の当たりにキスを挟むのも忘れなかった。

鼻歌を歌いながらついでに自分の服も上手に脱いでいった。ものすごく手際がいいから、私は手慣れてるなーってちょっと面白くない気持ちだった。

私の淡いピンクのレースの飾りがついたブラを見た時、彼はピューって小さく口笛を吹いた。

「すっごく可愛いのつけてるね。」

なんか私はバカにされたみたいで、すっかり鼻白んでしまった。もし、今晩、こんなことになるって分かってたら、私だって入念に準備してきたのに。彼は私がむっとした顔をしたのにすぐ気がついた。

「あ、不機嫌になってる。」
「だって……、今、子どもっぽいな〜って思ったでしょ、このブラ見て。」
「思ってないよ、可愛いから思わず口に出しただけ。それに、取っちゃえばどっちだって同じ事でしょ。」

言いながら、彼はホックを外した。彼は、綺麗な体だね…、と呟いて、ほーっとため息をもらしながら、私の体ををさわった。彼の体温が手を通して私にも伝わってくるようだった。

そのうちに、彼の舌が私の体を這い始めて、手はだんだん下の方に向かっていった。

私は、ああ、いよいよだっ!って思って体を強ばらせた。

また、彼は私の緊張にすぐに気がついて、布団に入ろうか、って私を抱きかかえて布団の中にもぐり込ませた。

私は彼の首に手を回してキスをした。そして、自分の体を彼の体にぴったりくっつけた。そうしたら震えが止まると思ったから。
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