めぐり逢えたのに
よれよれの格好の私をみると、父も母もとりあえずお風呂にはいって、着替えるように命じた。

バスタブにお湯を張りながら、ああ、あそこだったら、朝シャワーも浴びれないんだなあ、とかそんなことを考えていた。お風呂に入ってさっぱりしてから、いつかのように私は父と母の前に座った。母は私に夕べはどこにいたのか、と聞いたので、友美のうちに泊まったとだけ答えた。

母は頷いて、連絡はきちんとしなさい、と一言言っただけで、私は無罪放免となった。

それから、今日は学校を休んで家でゆっくり休むように、と付けたした。私は非常に驚いたが、言われた通り自分の部屋へ行ってゆっくり休養することにした。

夕方、私は彼に電話をしたが、ケータイが通じない。何度かけても、「おかけになった電話は現在使われておりません」と出るばかりだった。

彼から何の連絡もないし、私は不安な一晩を過ごした。

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