めぐり逢えたのに
私は、狂ったように遊んだ。
飲みにも行ったし、踊りにも行った。まあとにかく、両親がいい顔をしないだろう、って思われることは一通りやった。


週末のドライブ旅行なんて当たり前だったし、そこで、ろくに知りもしない男の子と寝たことも一度や二度じゃない。

友美は私の弾けぐあいにあきれてたけど、私は、彼が急に目の前から消えたことに納得がいってなかったから、何をしてもいいと思ってた。


薬だけは厳禁だ、と言った両親の言葉には今も感謝している。
でなければ、今ごろ私はどうなっていたかわからない。

でも同時に、それは、どんなに反抗しようとしたところで、両親の束縛から逃れられない自分のお嬢さんぶりを認める事でもあった。


全く私は、結局のところ、良い子ちゃんなのだった。
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