付き合ってても片想い
腕をひっぱられ連れてこられたのは
外の広場。
ベンチに座った亮太は足の間に私を座らせて
後ろから抱きついてくる形になった。
「な、なによ?」
「ごめん、怒ってる?」
「怒ってはない…
ただ、私のせいで美香ちゃんに怪我させちゃったし…
ごめんなさい」
「なんで美波が謝んの?
お前は怖い思いしただろ?
女の美香にあんな怪我させたことも、
俺が美波を守れなかったことも悔しい
ほんとごめん」
(あ、さっきの俺が守れなくてごめんて、
もしかしてそういう意味…?)
「それは大丈夫だよ。でもさっきのみてて、
改めて美香ちゃんのほうがお似合いだなーと
思っちゃった。」
「なんで?」
「だって、手つないでた…。
私が見てるってわかっても、離さなかった!」
「ごめん。あれは、あーすれば翔平は
やきもち妬くってわかってたから」
「じゃあ2人のためにってこと…?」
「そうだよ。それ以外の意味はない」
「でも…すごくいい子だし、
元々好きだった子じゃない?
そんな子があんな目にあったし。
泣いてたし…
誰でも美香ちゃんを選ぶよなって…」
「そんなの誰が決めたの?」
「え?」
「俺は美波が好きなんだけど」