小夜啼鳥が愛を詠う
翌朝、ベッドで目覚めた時、妙にストンと心に落ちてきた。
パパは私のパパじゃない。
本当のパパには、私以外の子供と、ママ以外の奥さんがいる。
……そっか。
普通じゃない、んだ。
ずっとずっと幸せだった。
パパもママも、亡くなったおばあちゃんも大好きだった。
みんな私に惜しみない愛を注いでくれて……。
え?
じゃあ、亡くなったおばあちゃんも……私とは血縁関係になかったってこと?
信じられない。
あんなに可愛がってくれたのに。
ううん、パパだって。
お店の常連さんが呆れるぐらい、私を愛してくれてる。
そこに嘘はない。
血って、何だろう。
家族って、いったい……。
いつも通りの朝。
ママがキッチンで朝食を作ってて、パパが新聞を読んでる。
「おはよう、さっちゃん。」
パパはいつもと同じ笑顔でそう言ってくれた。
涙がこみ上げてきた。
何も変わらない。
真実を知っても、他人じゃない。
血がつながっていなくても、家族なんだ。
パパの愛情がビシビシと伝わってきて、私はホッとした。
「おはよう。パパ。おはよう。ママ。」
笑顔でそう挨拶できた。
大丈夫。
大丈夫。
私は自分にそう言い聞かせた。
「あ。そうだ。おばあちゃんのお墓参りに行きたい。行ってきていい?」
学校に行く前に、ママにそう聞いた。
「……いいけど、1人じゃダメ。土曜か日曜に、ママが車で連れてってあげるから、待ちなさい。」
「はぁい。」
まあ、いいか。
思えば、昨日、薫くんに連れてってもらった山寺。
あの隣の峰?
隣の隣の峰になるのかな?
おばあちゃんのお墓、あまり遠くなかったんだ。
あの洋館。
素敵だったな……。
学校の帰りに、何となく、パパのお店に寄ってみた。
ちょうど15時というお店のこむ時間だったけど、パパは嫌な顔ひとつ見せず、営業スマイルではない心からの笑顔で迎えてくれた。
「さっちゃんもコーヒー飲む?」
カウンターの端っこに座って、パパが美味しいコーヒーを丁寧にいれてくれるのをじっと見つめた。
我が父ながら、カッコいい……あ、血縁じゃないんだっけ。
そっか。
パパの血を分けた子供は、どこにもいないのかな。
こんなに素敵なのに。
「ね。パパ。私、妹か弟がほしい。」
思わずそう言ってしまった。
パパは私のパパじゃない。
本当のパパには、私以外の子供と、ママ以外の奥さんがいる。
……そっか。
普通じゃない、んだ。
ずっとずっと幸せだった。
パパもママも、亡くなったおばあちゃんも大好きだった。
みんな私に惜しみない愛を注いでくれて……。
え?
じゃあ、亡くなったおばあちゃんも……私とは血縁関係になかったってこと?
信じられない。
あんなに可愛がってくれたのに。
ううん、パパだって。
お店の常連さんが呆れるぐらい、私を愛してくれてる。
そこに嘘はない。
血って、何だろう。
家族って、いったい……。
いつも通りの朝。
ママがキッチンで朝食を作ってて、パパが新聞を読んでる。
「おはよう、さっちゃん。」
パパはいつもと同じ笑顔でそう言ってくれた。
涙がこみ上げてきた。
何も変わらない。
真実を知っても、他人じゃない。
血がつながっていなくても、家族なんだ。
パパの愛情がビシビシと伝わってきて、私はホッとした。
「おはよう。パパ。おはよう。ママ。」
笑顔でそう挨拶できた。
大丈夫。
大丈夫。
私は自分にそう言い聞かせた。
「あ。そうだ。おばあちゃんのお墓参りに行きたい。行ってきていい?」
学校に行く前に、ママにそう聞いた。
「……いいけど、1人じゃダメ。土曜か日曜に、ママが車で連れてってあげるから、待ちなさい。」
「はぁい。」
まあ、いいか。
思えば、昨日、薫くんに連れてってもらった山寺。
あの隣の峰?
隣の隣の峰になるのかな?
おばあちゃんのお墓、あまり遠くなかったんだ。
あの洋館。
素敵だったな……。
学校の帰りに、何となく、パパのお店に寄ってみた。
ちょうど15時というお店のこむ時間だったけど、パパは嫌な顔ひとつ見せず、営業スマイルではない心からの笑顔で迎えてくれた。
「さっちゃんもコーヒー飲む?」
カウンターの端っこに座って、パパが美味しいコーヒーを丁寧にいれてくれるのをじっと見つめた。
我が父ながら、カッコいい……あ、血縁じゃないんだっけ。
そっか。
パパの血を分けた子供は、どこにもいないのかな。
こんなに素敵なのに。
「ね。パパ。私、妹か弟がほしい。」
思わずそう言ってしまった。