小夜啼鳥が愛を詠う
パパはマジマジと私を見て、それから苦笑した。
「そーゆーのはご縁だよ。ママもパパもけっこうな年齢だから、あまりプレッシャーかけないでくれるか?」
なるほど、ママは40歳、パパは50歳だ。
ため息をついて、書架のアルバムとスクラップブックを手に取った。
革の表紙のアルバムは、我が家の記録みたいなものだ。
セーラー服のママ、成人式のママ、結婚式のママ……ん?
もしかして、この結婚式も、ママにとっては初めての結婚式じゃなかったのかな。
今まで、そんなこと考えたことなかった。
妊婦姿のママ……このお腹のなかにいるのは、私なのよね?
本当の父親の存在は、アルバムからはうかがえない。
アルバムは、ひたすらパパの愛情に満ちあふれていた。
そして、スクラップブックは、光くんのパパの頼之さんの成長記録。
パパの親友の小門成之さんが、息子の頼之さんの新聞記事を保存したそうだ。
……そうか。
何も疑問に感じてなかったけれど、つまりそうゆうことなんだ。
成之さんは、頼之さんの実の父親だけど、家族じゃなかった。
だから、こうして、パパのお店でスクラップブックを作ったのか。
ちっちゃな頼之さんは、やっぱり光くんには全然似てない。
けど、薫くんには似てる気がする。
血縁って、こーゆーことなのかぁ。
でも、記事の内容は……頼之さん、連珠の天才って言われてる。
そういや、光くんも、連珠や囲碁の大会で優勝してたよ?
血のつながりはなくても、同じような才能があるものなのかしら?
そんなことを考えてると、当の頼之さん、つまり光くんのパパが真新しいスーツでやってきた。
「こんにちはー。」
「いらっしゃい。」
パパがうれしそうに、目を細めて迎え入れる。
私も、ぺこりと頭を下げて挨拶をした。
「さっちゃん?寄り道か。……うわ、何でソレ見とるんや。」
光くんのパパは、恥ずかしそうに頬を染めて、顔をしかめた。
「……あ、すみません。どうぞ。」
私は慌ててスクラップブックを閉じて、光くんパパに差し出した。
「いや。俺のんちゃうし。」
そう言って、光くんパパは、スクラップブックを書架に戻した。
そして、私とパパの顔を交互に見て、首を傾げた。
「……さっちゃん。聞いた?」
ものすごく抽象的な質問だった。
けど、光くん家はみんな頭がいいからか、大事な言葉を省略したり、説明を省いた会話が多い。
何となく私も慣れてたので、今回も迷わずうなずいた。
「そーゆーのはご縁だよ。ママもパパもけっこうな年齢だから、あまりプレッシャーかけないでくれるか?」
なるほど、ママは40歳、パパは50歳だ。
ため息をついて、書架のアルバムとスクラップブックを手に取った。
革の表紙のアルバムは、我が家の記録みたいなものだ。
セーラー服のママ、成人式のママ、結婚式のママ……ん?
もしかして、この結婚式も、ママにとっては初めての結婚式じゃなかったのかな。
今まで、そんなこと考えたことなかった。
妊婦姿のママ……このお腹のなかにいるのは、私なのよね?
本当の父親の存在は、アルバムからはうかがえない。
アルバムは、ひたすらパパの愛情に満ちあふれていた。
そして、スクラップブックは、光くんのパパの頼之さんの成長記録。
パパの親友の小門成之さんが、息子の頼之さんの新聞記事を保存したそうだ。
……そうか。
何も疑問に感じてなかったけれど、つまりそうゆうことなんだ。
成之さんは、頼之さんの実の父親だけど、家族じゃなかった。
だから、こうして、パパのお店でスクラップブックを作ったのか。
ちっちゃな頼之さんは、やっぱり光くんには全然似てない。
けど、薫くんには似てる気がする。
血縁って、こーゆーことなのかぁ。
でも、記事の内容は……頼之さん、連珠の天才って言われてる。
そういや、光くんも、連珠や囲碁の大会で優勝してたよ?
血のつながりはなくても、同じような才能があるものなのかしら?
そんなことを考えてると、当の頼之さん、つまり光くんのパパが真新しいスーツでやってきた。
「こんにちはー。」
「いらっしゃい。」
パパがうれしそうに、目を細めて迎え入れる。
私も、ぺこりと頭を下げて挨拶をした。
「さっちゃん?寄り道か。……うわ、何でソレ見とるんや。」
光くんのパパは、恥ずかしそうに頬を染めて、顔をしかめた。
「……あ、すみません。どうぞ。」
私は慌ててスクラップブックを閉じて、光くんパパに差し出した。
「いや。俺のんちゃうし。」
そう言って、光くんパパは、スクラップブックを書架に戻した。
そして、私とパパの顔を交互に見て、首を傾げた。
「……さっちゃん。聞いた?」
ものすごく抽象的な質問だった。
けど、光くん家はみんな頭がいいからか、大事な言葉を省略したり、説明を省いた会話が多い。
何となく私も慣れてたので、今回も迷わずうなずいた。