小夜啼鳥が愛を詠う
こうして今年のクリスマスイブは、本当に幸せな奇跡が重なった。
光くんママは一旦帰宅して、お料理とおばあちゃんを連れて我が家にやってきた。
何も聞かされてなかった成之さんは、ばつが悪そうだったけれど……2人が陰でこそこそ逢瀬を重ねていたことは暗黙の了解。
「お二人がお揃いのところを初めて拝見しましたけど、やっぱりよくお似合いですね。」
なーんて、うちのママが空気の読めないことを言ってしまったけど、2人は苦笑いして、次第に視線を絡め合い、そして柔らかく微笑み合った。
……ほんと、お似合いだわ。
ほどなく、お店を閉めたパパと光くんが帰宅した。
パパは、お祝いだから、と、私たちにも、薫くんにも!……とっておきのシャンパンを注いでくれた。
「今日だけやぞ。」
と、頼之さんが、特に薫くんに釘を刺した。
「じゃあ、乾杯の発声は、僭越ながら俺が……。あ、頼之くん、俺が言ってもいいかな?」
パパが一応、頼之さんにそう確認を取った。
「もちろんです。お任せいたします。……薫、にやけ過ぎ。」
頼之さんにつっこまれて、薫くんは慌てて自分の頬をぴしゃりと叩いた。
「では。えー、今夜は突然のご参集、ありがとうございます。真澄さん、なっちゃん、急な話でバタバタさせてしまって、すまないね。ありがとう。」
光くんのおばあちゃんと、うちのママが軽く会釈するのを待って、パパは言葉をついだ。
「えー、クリスマスイブですが、今日は個人的に喜ばしいことがありましたので、ココで発表させていただきます。……私の幼なじみが、ここ数年つきあってた男性と結婚することになったそうです。彼女の末永い幸せと、それに伴って、そこの仮面別居夫婦の正常化を祝って、それからココにご列席の皆様方のご多幸とご繁栄をお祈りしまして、乾杯をいたしたいと存じます。 皆様グラスの準備はよろしいでしょうか?」
「……待て。なんや、それ。聞いてない。」
さすがに、成之さんがストップをかけた。
そりゃそうだろう。
パパってば、何の説明もなく……唐突にそんな……。
「うん。さっき俺らも初めて聞いた。薫くんと桜子から。……な?」
パパが、私と薫くんにそう確認した。
私は黙ってうなずき、薫くんはニパッと笑って言った。
「せやねん!御院さんと玲子が、やっと結婚する気になってん。引っ越しして、結婚するねん。」
「え!ホントに!?すごい!」
……玲子さんと仲良しのママは、玲子さんの結婚がよほどうれしいらしく、目に見えてはしゃいだ。
光くんママは一旦帰宅して、お料理とおばあちゃんを連れて我が家にやってきた。
何も聞かされてなかった成之さんは、ばつが悪そうだったけれど……2人が陰でこそこそ逢瀬を重ねていたことは暗黙の了解。
「お二人がお揃いのところを初めて拝見しましたけど、やっぱりよくお似合いですね。」
なーんて、うちのママが空気の読めないことを言ってしまったけど、2人は苦笑いして、次第に視線を絡め合い、そして柔らかく微笑み合った。
……ほんと、お似合いだわ。
ほどなく、お店を閉めたパパと光くんが帰宅した。
パパは、お祝いだから、と、私たちにも、薫くんにも!……とっておきのシャンパンを注いでくれた。
「今日だけやぞ。」
と、頼之さんが、特に薫くんに釘を刺した。
「じゃあ、乾杯の発声は、僭越ながら俺が……。あ、頼之くん、俺が言ってもいいかな?」
パパが一応、頼之さんにそう確認を取った。
「もちろんです。お任せいたします。……薫、にやけ過ぎ。」
頼之さんにつっこまれて、薫くんは慌てて自分の頬をぴしゃりと叩いた。
「では。えー、今夜は突然のご参集、ありがとうございます。真澄さん、なっちゃん、急な話でバタバタさせてしまって、すまないね。ありがとう。」
光くんのおばあちゃんと、うちのママが軽く会釈するのを待って、パパは言葉をついだ。
「えー、クリスマスイブですが、今日は個人的に喜ばしいことがありましたので、ココで発表させていただきます。……私の幼なじみが、ここ数年つきあってた男性と結婚することになったそうです。彼女の末永い幸せと、それに伴って、そこの仮面別居夫婦の正常化を祝って、それからココにご列席の皆様方のご多幸とご繁栄をお祈りしまして、乾杯をいたしたいと存じます。 皆様グラスの準備はよろしいでしょうか?」
「……待て。なんや、それ。聞いてない。」
さすがに、成之さんがストップをかけた。
そりゃそうだろう。
パパってば、何の説明もなく……唐突にそんな……。
「うん。さっき俺らも初めて聞いた。薫くんと桜子から。……な?」
パパが、私と薫くんにそう確認した。
私は黙ってうなずき、薫くんはニパッと笑って言った。
「せやねん!御院さんと玲子が、やっと結婚する気になってん。引っ越しして、結婚するねん。」
「え!ホントに!?すごい!」
……玲子さんと仲良しのママは、玲子さんの結婚がよほどうれしいらしく、目に見えてはしゃいだ。