小夜啼鳥が愛を詠う
「光くんに、愛されてない……とは思ってない……んだけど……光くんママほどは愛されてない。」
私はそうつぶやいた。
「……母親が一番ってのは、小門兄以外にもたくさんいると思う。マザコンってやつ。」
野木さんはそう言って、挑戦的に笑った。
「さくら女、惜しい。そこじゃない。ポイントは。」
ポイント?
「野木さんが何を言いたいのか、よくわからないんだけど……」
降参してそう尋ねたら、野木さんは肩をすくめた。
「さくら女は、素直で優しいイイ子ね。小門兄の思い通りに動いてあげる……。」
「それって、嫌味?」
ちょっとびっくりした。
野木さんが嫌味を言うなんて……。
「嫌味のつもりはないけど、多少は毒が含まれたかも。……そうね。ごめん。ちょっと、イラッとした。」
あっさりと認めて謝って、野木さんはまた手を動かす。
「……野木さんのことも、わかんなくなってきちゃった。」
私は、そう愚痴った。
すると、野木さんは皮肉っぽく笑った。
「わかるわけない。……自分のこともわからないのに、他人を理解しようとすること自体がおこがましい。てか、野木は、わからないから惹かれるんだと思う。野木にとって明田さんは永遠に謎だし、小門兄もわからない。だから興味がわく。」
ドキッとした。
野木さんが、明田先生と光くんを並列して言った。
……本当に……野木さんの中で光くんの存在が大きくなってるんだ。
あれ?
何だか、悶々としてきた。
やっぱり、私……光くんと野木さんのこと……消化できてない……。
「わからないヒトのこと、ずっと好きでいるの……苦しいよ……。」
そう言ったら泣けてきた。
小さい頃から、大好きだった光くん。
なのに、光くんは、私じゃなくて、野木さんを抱いた……。
「光くんは……わからないよ……。」
そう繰り返したら、野木さんは、今まで描いていた絵を破った!
ビリッ!
と、音をたてて、私を描いていたはずのページを縦に裂いてしまった。
怒らせた?
……どうしよう。
野木さんの怒るポイントがわからない。
涙目で野木さんを見た。
野木さんは天を仰いで、それから、やるせなく笑った。
「もう限界。てか、どうせ、さくら女以外はみんな知ってるから、言う。小門兄はさくら女のこと、好きよ。ずっと。」
好き……。
好き?
光くんが?
私のことを?
私はそうつぶやいた。
「……母親が一番ってのは、小門兄以外にもたくさんいると思う。マザコンってやつ。」
野木さんはそう言って、挑戦的に笑った。
「さくら女、惜しい。そこじゃない。ポイントは。」
ポイント?
「野木さんが何を言いたいのか、よくわからないんだけど……」
降参してそう尋ねたら、野木さんは肩をすくめた。
「さくら女は、素直で優しいイイ子ね。小門兄の思い通りに動いてあげる……。」
「それって、嫌味?」
ちょっとびっくりした。
野木さんが嫌味を言うなんて……。
「嫌味のつもりはないけど、多少は毒が含まれたかも。……そうね。ごめん。ちょっと、イラッとした。」
あっさりと認めて謝って、野木さんはまた手を動かす。
「……野木さんのことも、わかんなくなってきちゃった。」
私は、そう愚痴った。
すると、野木さんは皮肉っぽく笑った。
「わかるわけない。……自分のこともわからないのに、他人を理解しようとすること自体がおこがましい。てか、野木は、わからないから惹かれるんだと思う。野木にとって明田さんは永遠に謎だし、小門兄もわからない。だから興味がわく。」
ドキッとした。
野木さんが、明田先生と光くんを並列して言った。
……本当に……野木さんの中で光くんの存在が大きくなってるんだ。
あれ?
何だか、悶々としてきた。
やっぱり、私……光くんと野木さんのこと……消化できてない……。
「わからないヒトのこと、ずっと好きでいるの……苦しいよ……。」
そう言ったら泣けてきた。
小さい頃から、大好きだった光くん。
なのに、光くんは、私じゃなくて、野木さんを抱いた……。
「光くんは……わからないよ……。」
そう繰り返したら、野木さんは、今まで描いていた絵を破った!
ビリッ!
と、音をたてて、私を描いていたはずのページを縦に裂いてしまった。
怒らせた?
……どうしよう。
野木さんの怒るポイントがわからない。
涙目で野木さんを見た。
野木さんは天を仰いで、それから、やるせなく笑った。
「もう限界。てか、どうせ、さくら女以外はみんな知ってるから、言う。小門兄はさくら女のこと、好きよ。ずっと。」
好き……。
好き?
光くんが?
私のことを?