小夜啼鳥が愛を詠う
土鍋で炊いたわらびご飯は、めちゃくちゃ美味しかった!
さっき食べたのと全然違う。
美味しいおだしと、お揚げさんの油や旨味が効いていた。
他にも、わらびのお味噌汁、お浸し、煮物、天ぷら、豚肉との炒め物。
魔法のようにママはいろんな料理に変えた。
「やっぱりなっちゃんにお願いして正解だったわ。私、こんなの思いつかないもん。美味しい~。ね?清昇くん。」
上機嫌で玲子さんが藤巻くんにそう話しかけた。
「はい。とても美味しいです。こんなにお料理の種類が多いと思いませんでした。……お手間をかけさせてしまって、すみません。」
藤巻くんは、玲子さんではなく、ママにそう言った。
何となく……ほんとに何となくだけど……違和感を覚えた。
ママのお料理は確かに美味しい。
薫くんもパクパク食べて、はしゃいでる。
藤巻くんの口にも決して合わないことはないはずだ。
でも、藤巻くん……喜んでないように感じる。
もしかしたら、もしかしたらだけど……玲子さんにお料理してほしかったのかな……。
薫くんがわらびご飯のおかわりを食べ始めた頃、パパが帰宅した。
「ただいまー。わらびご飯、多めにある?小門も食いたいってー。」
パパは、成之さん、つまり薫くんのおじいちゃんも連れてきた!
「……え?薫くん?……あれ?玲子は?え?……あれ?」
パパは、薫くんや藤巻くんがいるとは思わなかったようだ。
「薫……くん?」
パパの背後からおそるおそる成之さんが顔を出した。
「おじいちゃん!」
ぱあああっ!と、薫くんの笑顔が、より大きな輝きを放った。
あらら。
それで成之さんの目尻もでれっと下がった……んだけど、玲子さんを見て、表情がかたまった。
「玲子。これは一体……。」
肩をすくめて、玲子さんはお茶を一口飲んだ。
薫くんが成之さんのそばに駆け寄って、言った。
「友達やねん!玲子も、藤やんも。な!」
な……って、私に振られてしまったけど……えーと、私は?
薫くんにとっても、家族みたいなものなのかな。
とりあえずうなずいて同意すると、成之さんは息をついた。
「そうか……。友達か……。」
そうつぶやいて、それから成之さんは藤巻くんに会釈した。
「はじめまして。薫くんの、祖父です。……薫くんと、仲良くしてくれて、ありがとう。これからもよろしくお願いします。」
藤巻くんは立ち上がって、深くお辞儀した。
それから、おもむろに口を開いた。
「こちらこそ、お世話になってます。薫にも。玲子さんにも。」
あ。
挑戦的かも。
藤巻くん、慇懃無礼だ。
さっき食べたのと全然違う。
美味しいおだしと、お揚げさんの油や旨味が効いていた。
他にも、わらびのお味噌汁、お浸し、煮物、天ぷら、豚肉との炒め物。
魔法のようにママはいろんな料理に変えた。
「やっぱりなっちゃんにお願いして正解だったわ。私、こんなの思いつかないもん。美味しい~。ね?清昇くん。」
上機嫌で玲子さんが藤巻くんにそう話しかけた。
「はい。とても美味しいです。こんなにお料理の種類が多いと思いませんでした。……お手間をかけさせてしまって、すみません。」
藤巻くんは、玲子さんではなく、ママにそう言った。
何となく……ほんとに何となくだけど……違和感を覚えた。
ママのお料理は確かに美味しい。
薫くんもパクパク食べて、はしゃいでる。
藤巻くんの口にも決して合わないことはないはずだ。
でも、藤巻くん……喜んでないように感じる。
もしかしたら、もしかしたらだけど……玲子さんにお料理してほしかったのかな……。
薫くんがわらびご飯のおかわりを食べ始めた頃、パパが帰宅した。
「ただいまー。わらびご飯、多めにある?小門も食いたいってー。」
パパは、成之さん、つまり薫くんのおじいちゃんも連れてきた!
「……え?薫くん?……あれ?玲子は?え?……あれ?」
パパは、薫くんや藤巻くんがいるとは思わなかったようだ。
「薫……くん?」
パパの背後からおそるおそる成之さんが顔を出した。
「おじいちゃん!」
ぱあああっ!と、薫くんの笑顔が、より大きな輝きを放った。
あらら。
それで成之さんの目尻もでれっと下がった……んだけど、玲子さんを見て、表情がかたまった。
「玲子。これは一体……。」
肩をすくめて、玲子さんはお茶を一口飲んだ。
薫くんが成之さんのそばに駆け寄って、言った。
「友達やねん!玲子も、藤やんも。な!」
な……って、私に振られてしまったけど……えーと、私は?
薫くんにとっても、家族みたいなものなのかな。
とりあえずうなずいて同意すると、成之さんは息をついた。
「そうか……。友達か……。」
そうつぶやいて、それから成之さんは藤巻くんに会釈した。
「はじめまして。薫くんの、祖父です。……薫くんと、仲良くしてくれて、ありがとう。これからもよろしくお願いします。」
藤巻くんは立ち上がって、深くお辞儀した。
それから、おもむろに口を開いた。
「こちらこそ、お世話になってます。薫にも。玲子さんにも。」
あ。
挑戦的かも。
藤巻くん、慇懃無礼だ。